クリキが語る!

「会社はテーマパークだ」

日本システムデザインの社長、栗城仁が語る「生き方・働き方」

第7回「『次の担い手』の為に、何を残すか」

日本システムデザインの皆が、さらに成長するために。

 

会社として大きな変動期にあるということではないのですが、私自身が現場のSEとしての立場を終える時期になっています。それもあって、私の経験の何を残せばいいかなと考えているんですよ。

これまで現場では個別に色々と言ってきましたが、会社という組織に立ち戻って、色々な社員を見た時、私は何してあげたのか、何を残してあげたのか……。そういう思いがよぎった瞬間、「ああ、何も残せてなかったな」と。つまり、今までは「一緒に現場に入って、現場で育てることがー番!」でしたが、少し身を引いて「会社」を見つめ直したら、なにか違うなって……。そう感じたんですよ、直観的に。

自分たちは、本当に成長しているのか。皆、SEとしての仕事はできています。しかし、それは当たり前でしょう。お客様からお金をもらって仕事として威し遂げているのだから。でも、じゃあ、我々は本当に会社として個人として、何か成長しているのかーー。

売上は堅調に伸び、利益も上がっている。だが、それが成長なのか? それは何か違うなと思ったのです。そこを皆で考えたい。だって、仕事が利益アップだけのことなら、つまらないじゃないですか。

私もあと何年かすれば社長職を辞め、次の人が会社を引き継ぐでしよう。でも、私がいなくなっても、次の担い手が、私の作った道しるべをもとに、さらにもう一皮も二皮も厚くして先へ進めれば、今いる人たちはそれなりに発展していくし、成長していく……。そういうことを考えるようになりました。

入社した新人がSEとして一段一段ステップアップしていく30年間、私が見てやれるかといったら、やれるはずがない。私、いくつになっちゃうと思います? だから、若い人に繋げなければならない。

それのひとつの実践が、先ほど言いましたが、課長以上が出席する幹部会なわけです。ここではすでに「志なくして成長なし」ということを明言し、「志ってなに?」、「成長ってなに?」をテーマとして、会話を始めています。

「諦めないこと」「伝える力」「想像力」、このSEの基本ペースをどう伝えて、それを現場で出していくか。その結果、成長していくのだと思います。そして、それが信頼される会社を作っていくということだと思うのです。

私は、一個人が突出して信頼を得るのではなく、会社全休が信頼される、そういう組織を作り上げたいんです。それでこそ、社員は自分の現場を本当に大切にするはずだし、会社も大切にするはず。そんな教育をしていきたいですね。